コンクリートは、水を通さないとも言われていますが、施工後に乾燥しながら収縮したり、地震などによる振動により、ひび割れが(クラック)が発生します。このひび割れから浸透した水は、コンクリート自体を劣化させると共に建物の鉄筋や鉄骨を劣化させ建物寿命を縮めます。
このようなことから、防水工事は建物躯体を守るだけでなく、快適な住環境を守る上でも重要な工事となります。 下記に代表的な防水工事について、簡単に解説をさせて頂きます。
これらの工事は、お客様の建物の既存防水層の仕様や建物の形状、立地環境、コストパフォーマンスに対する考え方で選択が変わります。工事業者へ質問や希望を十分にお話になり、納得の行く工法をご選択下さい。
アスファルト防水には、熱工法と常温工法などの種類があります。
熱工法では、ルーフィングといわれるアスファルトを含ませたフェルト状の合成繊維シートを作業現場で溶融釜を利用して溶融(溶融温度260℃程度)、したアスファルトを流しながら2~3層重ねて防水層を形成します。
常温工法は、熱工法のように溶融アスファルトを使用せずに液状のゴムアスファルトでルーフィング類を1~3枚貼り付けていく工法です。近年、シート状に加工した改質アスファルトをトーチバーナー等であぶりながら貼り付けていくトーチ工法も普及しています。この防水層の上にコンクリートを載せ仕上げる工法を、保護防水工法といい従来、新築において多用されてきた工法です。
歩行用の屋上防水工法として安定した性能を発揮しますが、施工の際に現場でアスファルトを溶融するため、臭気の発生などから近年減少傾向にあります。
塩ビやゴム製、改質アスファルトなどで出来たシートを粘着材で躯体へ密着させ、シート相互は溶着させて仕上げる工法です。
伸縮性に優れていますので、鉄骨構造の屋根に適し意匠性にも優れています。シート相互の接合部施工は、注意が必要となりますので、施工実績などに注意して技術力ある工事店へ依頼しましょう。
また、シート防水の場合、アスファルト防水のような保護コンクリートをシートの上に打設することは不可能です。
液状のウレタン防水材を躯体へ塗ったり、専用の機械で吹き付けることにより、防水層を形成する工法です。屋上に多くの設備機器などが設置されている複雑な形状の改修工事に多く採用されます。また、シート防水のような接合部がないため、防水の信頼性が高くなります。
建物外壁における異なる部材の接合部やサッシ等の開口部と建物躯体との隙間をシーリング材といわれる樹脂を充填することにより防水を行う工法です。
外壁は雨天時に風速7~8メートルで屋上面より多くの雨水を受けると言われています。
このようなことから、外壁への細やかな防水施工が重要となります。シーリング材にも用途により様々な性質のシーリング材が存在します。
吹き付け後、20秒から30秒で指触乾燥するほど硬化が早く、施工直後の降雨でも心配なく降雨直前まで施工できますので、天候不順による工期の遅延リスクを軽減できます。
複雑な形状にも納まり良く防水層を形成できるため、自由度の高いデザインが可能です。重ね塗り改修(オーバーレイ改修)が可能なため、将来の改修時に低コストで改修できます。
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